コラム Column

新しい日常 その3 「テレワークの対応を!」・・・後編

今年の夏は、コロナ、猛暑、ゲリラ雷雨。猛暑でマスクを着けての活動。参っている方も多いと思います。経済の方はコロナで深刻な世界経済の悪化。先行き不透明な将来不安に襲われています。

経営者も労働者もストレスが溜まっており、イライラがピークになっていました。体調を少し崩して、微熱が出ただけでも、コロナの感染が疑われるため、人と接触をすることが出来なくなります。ウイズコロナの社会では、体調をくずして微熱が出ることも出来にくいのが実情です。

  • 安易に体調を崩すことも出来ません。

ワーカーズハイとなりアドレナリンを出して、限界を超えて、っ倒れるまでやり抜くこと。働き方改革に伴う36協定違反の対応だけでなく、ウイズコロナの対応においても自分に無理をさせて過重労働は出来ないし、他の人に過重労働をさせることは出来ない状況になりました。

  • ウイズコロナの対応では
    心身ともに体調管理が
    より大切になっています。

ウイズコロナの対応とは、感染を防ぎながら、経済も回していく日常です。経済を回していく中で、テレワークの対応に関して、前向きに取り組んでいく必要があります。

緊急事態宣言中は、多くの企業がテレワークを実施していました。しかし、緊急事態宣言解除後は、テレワークを止めてしまいました。ネットのアンケート調査や記事では下記の傾向が出ています。

  • 労働者側の意見ではテレワークでの働き方を希望

  • 経営者側はテレワークにあまり前向きではない

「テレワーク規程」を策定させて頂いたクライアントでも程度の差こそあれ、上記のような状況でした。さすがに、コロナの後ではテレワークの必要性は認識しています。経営者がテレワークの必要性を感じているから「テレワーク規程」も本格的に整備しだしたのです。

小生は、「テレワーク規程」を策定するにあたり、最初に、クライアントの方々に下記のことを考えるように案内しています。

  • 経営者の立場でのテレワークのメリット

現状の対応を壊して、新しい対応を始めるとき。労働者の立場ではなく、経営者の立場でのメリットをベースにつくり込んでおかないと、現実的には新しい制度を始めることは出来ないのです。

経営者のメリットの中に、継続して収益をあげることがあり、何よりも企業の存続があるのです。結果的に経営者のメリットは労働者のメリットになるわけです。

現実的には労働者のメリットが経営者のメリットよりも先になることはないのです。新入社員ではないのですから、色々と経験を積んだ社会人の大人であれば、当たり前に認識していることです。日本の企業内労働組合も自分たちの長期雇用を前提にして、基本的には労使双方でメリットは一致しています。

当然、どんなに労働者が希望したとしても、社会的な必要性に迫られるか、経営者がメリットを感じなければ、新しい制度がつくり込まれて導入されることはないのです。

もっとも、コロナの第一波のときは、先とか後とかではなく、労働者と家族の命を守るために経営者はテレワークの対応をしたはずです。

緊急事態宣言解除後もテレワークを継続した企業。経営者がテレワークのメリットや必要性を強く感じたからなのです。労働者の希望でテレワークを継続させたのではないはずです。

社内的にテレワークを浸透させるためには、経営者にテレワークのメリットや必要性を理解して頂く必要があるということです。テレワークを解除した企業は経営者がテレワークの必要性やメリットを感じなかったから中止にしたのです。

緊急事態宣言中に、対面を要するような営業でテレワークは不可能と思われていた業種でも対応が出来たという報告も受けています。何と、下記のような成功事例の報告も頂いています。

  • テレワークでの対応の方が
    営業数字が跳ね上がった者も出てきた。

コロナ前まで営業数字が普通以下だった者だというのです。それが、ウイズコロナの対応になったらトップクラスの実績を上げるようになったのです。

上記は、恐らく、市場ではコロナの影響で、あまり接触したくない人がいるからなのでしょう。オンラインでのコミュニケーションに何かきっかけを掴んで、自信を得たはずです。

対面の商談ではなく、FaceTimeのテレビ電話、スカイプ、ZOOMでのオンラインでの打ち合わせを求めている顧客ニーズ層があるということです。

ウイズコロナの対応となり、対面での商談に制限が出てきました。そのため、従来からの営業スタイルでの下記のコミュニケーションが通じなくなってきたのです

  • ゴリ押し、ゴネ押し
    足で稼ぐ営業スタイル

ゴリ押し、ゴネ押しが通じるのは、基本的には最初の一度だけで、2回目以降は警戒されて、嫌がれるものです。それに、最近は1回目からも通じません。

若い世代の方々は、なかなか納得してくれませんが、ビジネスコミュニケーションは、断然、年輩の方が高いのです。やはり、経験が違うのです。一方で、SNS時代でのネットワークでの繋がり方はご年輩の方々よりも、概して若い世代の方が得意なのです。

ウイズコロナの環境になり、対面での常識が根底から揺らいでおり地殻変動が起きている中で、テレワークが必要になってきています。

テレワークは、ネットワーク環境が整えば自然に出来るというものではありません。やはり、テレワークに慣れて、テレワークの練習をして、テレワークの技術を身につける必要があります。何より、テレワークのコミュニケーション力を高める必要があるのです。

コロナの対応だけではありません。近年の温暖化でこれだけ水害が多いのです。正直、秋の台風には頭が痛いです。加えて地震があります。少子高齢化社会で育児や介護の問題もあります。テレワークに関して、会社のノウハウを徐々に企業文化に取り入れて培っていく必要があるはずです。

弊社のクライアントの中に、下記のようにしている企業もあります。

  • 「週に一度はテレワークの日」

コロナの前は、水曜日はノー残業デーでした。ウイズコロナでは、水曜日を「テレワークの日」にしたのです。「テレワークの日」があることは採用にも有利になっている面があるようです。

上記の対応をしたのは、労働者の希望からではありません。経営者の方々がテレワークに慣れていき、オンライン化でのリーダーの在り方を模索していくためです。結果として労働者の方も喜んでいる人が多いようです。

新しい制度を導入する場合、社会的な必要性に迫られるか、経営者がメリットを感じなければ、新しい制度がつくり込まれて、導入されることはないということです。

色々な課題を抱えながら、テレワークも走りながらで、試行錯誤をしながらの対応になっています。しかし、テレワークを始めないと、その課題すら分からない状態だと思うのです。

作成日:2020年8月17日 屋根裏の労務士

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