コラム Column

アクティブに「待つ」ということ!

コロナの感染拡大が収まりません。第3波が収束して緊急事態宣言が解除されたと思った矢先。早くも、第4波が到来する状況。一方で、コロナの対応に関して、「飽きてきた」とのご意見も実は、多く頂いております。
  • 「飽きてきた」との意見

「飽きてきた」とのコメントの背景には「慣れてきた」という前向きな意味があると認識しております。コロナの感染対策は、結局のところ、下記の対策に集約されます。

  • 「濃厚接触にならないように行動すること」

基本的には、出来る限り、人との接触を避けて、マスクを外して会食はしないという対応です。ワクチン接種が出来るまで上記のことを続けていくしかありません。「飽きてきた」とのご意見の背景には下記のこともあると認識しております。

  • 現時点では、リーマンショックの時のような
    経済危機に陥っていないということ

今回のコロナ危機は、『凄まじい二極化』の状況になっています。3月の決算の見通し。多くの企業がコロナ前までの業績にはなっていませんが、リーマンショックのときのような業績悪化には陥っていません。

一方で、業績が落ち込んでいる企業。リーマンショックを超えるような大変な業績悪化とトラブル対応です。次から次へと起こる負の連鎖。苦しい苦しい状況に追い込まれてしまっています。

リーマンショックは、アメリカを震源地に輸出型企業の川上から川下へ。コロナの不況は、中国の武漢から感染が拡がり、内需型企業の川下から川上へ。

経済学の基本的な考え方では「経済は繋がっている」と言われます。しかし、実態は、コロナ前からある構造的な二極化の中で、『格差で分断されている』ような気がしています。つまり、川下から川上へ影響があまり出ていないということです。

  • 先進国の経済という河川では
    川の流れというのは、
    下から上には流れて
    いかないということでしょうか。

民主党政権のときに、トリクルダウン理論が日本でも出てきました。その後、アベノミクスでも、トリクルダウン理論を踏襲します。

トリクルダウン理論とは、「富裕者がさらに富裕になると、経済活動が活発化することで低所得の貧困者にも富が浸透し、利益が再分配される」と主張する経済理論。

この理論は開発途上国が経済発展する過程では効果があります。一方で先進国では中間層を中心とした一般大衆の消費による経済市場は規模が大きいため、経済成長にはさほど有効ではなく、むしろ社会的な格差の拡大を招くだけという批判的見方もありました。

実態の経済を捉えれば、日本では、二極化の格差社会の中、勝ち組と負け組で繋がりは希薄になり構造的な格差で分断されています。

  • 経済や社会は、「繋がっている一面」もある中で
    『格差で分断されている』という事実

団塊ジュニアで氷河期世代の小生。失われた20年間の中で、戒めてきたことです。誰も助けてくれません。『べき論の愚痴』を言っているのではなく、下記の事実を受け容れていくことです。

  • 「あるという現実」を受け止めて、
    「あるという現実」を受け容れていくこと

「あるという現実」を受け止めて、「あるという現実」を受け容れていかないと

  • 「現実と格闘して凌いでいくということについて!」

最近、『自己責任』という言葉。あまり使われなくなりました。私たちの世代に対して、散々、浴びせられてきた言葉です。それどころか、『氷河期世代の敵は氷河期世代』と言われるようなことが増えています。

そのため、『自己責任』という言葉は使われなくなったというより、使うことが出来なくなったような気がしています。『べき論』で捉えるのではなく、「あるという現実」を踏まえて対応していくこと。私の労務相談の方針のベースになっている考え方です。

「あるという現実」を踏まえなければ、最初の一歩を踏み出すことはないという当たり前の考え方です。

最近、オリンピックに関するコラムで、私が、トランプ元大統領や森先生を支持していると思っている人も多いようです。

自民党の先生には幼少期から色々とありますが、支持しているのではなく、「あるという現実」、「いるという現実」を踏まえての捉え方や考え方です。

それに、トランプ元大統領や森先生の立場で見えていることや考えていることは、重責の十字架を負っている当事者の本人にしか分からないと思います。当事者の本人にしか分からないのだから政治家の失言には要注意が必要になるということです。

コロナの世界的な財政支出で株価が高くなっています。今の株価は、金余りのバブルなのか。それとも、分断された構造的な二極化の中で、勝ち組の中での実態経済と未来予測を踏まえての株価なのか。

バブルは弾けてバブルだったと気が付くと言います。今回のコロナの不況は、二極化をしており、大変な企業は青色吐息の状態です。一方で、世界中で財政支出をしており市場にキャッシュがあふれており、株価は上がっています。

日本はデフレですが、悪いインフレが起こり、現金が目減りしてしまうリスクも出てきました。インフレになっても、賃金は上がらないスタグフレーションが起きる展開です。

事実上、政府から資産を取り上げられしまう最悪のシナリオです。コロナが収束に向かったら、日銀は引き締めるはずですので、バブルが弾けて、またまた、大不況になることも心配しております。

リーマンショックのような爆弾を常に抱えているような状態であり、先行き不透明で、安心は出来ません。構造的に強い企業は現状維持程度で、コロナの危機が終わるのを「待つ」。弱い企業は、勝手に倒れてくれるのでそんなに競争しなくても、市場を取ることができるわけです。

濃厚接触を徹底的に回避して集団感染による企業活動停止の最悪の展開を避けることが大切になります。ワクチン接種を「待ち」。コロナの危機が終わるのを「待つ」。

  • アクティブに、「待つ」ということ

コロナが「あるという現実」を踏まえた場合の有効的な対策です。最悪のシナリオを回避して、「待つ」という対策なのですから、当然、「飽きてきた」との意見になると思います。

「飽きてきた」ということは、幸せだと言うことだと思います。二極化で分断された負け組の方では、大変なことになっております。バブルも幸せも、弾けて失って、初めて気が付くものだと思います。

作成日:2021年4月5日 屋根裏の労務士

お問い合わせ

電話番号 03-3988-1771 受付時間9:00~19:00(土日祝祭日を除く)

お問い合わせ

コラム

  • 採用情報