コラム Column

「ライフプラン・・・保険編 その1」

コロナの感染拡大が収まりません。しかし、現時点ではコロナの対策は「アクティブに待つ」という対応が最善の対策です。コロナは飽きてきたというご意見も多くなってきました。政治や経済をテーマにすると誤解されるようなことも多いものです。

今回から、「ライフプランについて」、コラムで取り上げていきます。

来年度から始まる高校の新学習指導要領に、家計管理などを教える家庭科の授業で「資産形成」の視点に触れるよう規定されています。

家庭科の先生が裁縫や調理実習に加えて、株式や債券、投資信託など基本的な金融商品の特徴を教えることになります。

教育現場では投資教育に関して戸惑いが広がっています。金融庁は「出張授業」や教材づくり、先生を対象にした投資イベントなどを通じて準備を後押ししていくようです。

ご存知の通り、私は社会保険労務士です。実は、私が「具体的に何をしているのか」について。同業の社労士だけではなく、親しい人でも、何も知らないし、何も分かっていません。厳格な守秘義務もあります。そもそも、「私が何をしているのか」について、「知られてはいけない」のです。

仕事のことは話題にしないことが一番です。いつも、「墓場まで持っていく話」ばかりです。また、私は、一応、ファイナンシャルプランナーでもあります。ファイナンシャルプランナーの資格は長年にわたるブームであり、根深い人気があります。

私は、趣味やブームで資格を取得したのではありません。サラリーマンのときに、不動産の取得に関して顧客にライフプランを提案するにあたり、提案手法を学んで報告するように会社から言われて取りに行かされたのです。

前職でマイホームの購入計画の提案に関してライフイベントに伴う資金計画について、散々、ご提案してきました。小生の営業はグループからの紹介顧客が中心でした。富裕層の方々が多かったため、ライフプランを詳細にヒアリングして、ライフイベントについて予算の引当をして資金繰りを心配する必要性は少なかったのです。

富裕層の方々は税金のことは税金対策や資産を守る対策などで顧問の税理士がいます。資産のことは、金融機関をはじめてとして投資プロのアドバイザーが雇われています。

正直、ファイナンシャルプランナーとして自分がライフプランや家計に関して出ていくことを求められていなかったのです。基本的には、お客様が生活する住空間である不動産を取得して頂くことが私の仕事です。

  • その人にあった一番を一緒に考えて。
    その人にあった一番を見つけて。
    そのための課題を一つ一つ解決していくこと。
    それが、私の仕事でした。

それに、不動産取得に際して、膨大に学んで身につけて頂くことがあるのです。それでも、資金繰りに余裕のある人というのは、滅多にいるものではありません。

また、予算に制約が無く青天井のお客様。制約が無い分、それはそれで、骨の折れる仕事なのです。それに、どんな人でも一定限度の予算と時期という制約があるのです。生活用と投資用、事業用などで、「財布は別」というのが当たり前です。

  • 家庭でも一般会計と特別会計はあるのです。

「生活用の財布」というのは誰もが持っているものです。そのために、家計の見直しを図る必要があるのです。間接的に、ファイナンシャルプランナーとして提案をしていく必要が出てくるのです。

家計の見直しの中で、いつも気になる項目がありました。それが下記の項目です。

  • 生命保険の金額

意外に思われるかもしれません。実は、私は、これまで、直接的に『終身の高額な保険』を買ったことが一度もないのです。(間接的には買ったことはあります。)

小生の人生は、保険に保険を掛けながらの人生でした。保険に保険を掛けながら、時として、身投げのような博打を打ち続けてきました。

  • 今は社会保険を骨の髄まで熟知して、
    それを生業にもしております。

これまでの人生の中で、何度も何度も痛い目に合ってきました。何度も何度も酷い目にあってきました。裏切られて、騙されて、散々煮え湯を飲まされてきました。

そんな痛い目、酷い目に散々、あってきましたが、高額な生命保険にだけは加入していません。もちろん、損保には加入しています。他人様にご迷惑をかけるようなことは起きないようにしてあります。

4月の中旬を過ぎた今頃の時期。社会人になったばかりの新入社員。下記のような【お決まりの保険営業のフレーズ】と騙しの営業にあって高額な生命保険に加入することが多いと思います。

【お決まりの保険営業のフレーズ】

  • 『保険は人生3大買い物の一つです。』

  • 『社会人になれば、自立する意味でも
     保険の加入は必要です。』

  • 『あの先輩やあの同期の人も
     同じ保険に入っています。』

上記の営業トークを巧みに使って仕掛けてくるのが保険営業の常套手段なのです。上記のトークは、多くの業界でも応用が利く営業トークの骨格でもあります。営業系の怪しいセミナーでも素人の営業マンをカモにしてノウハウ売りをしているセミナー内容でもあります。

上記の3つのトークに関して解説をしていきます。

巧みに騙す『セミナー商法』というのは多いですから要注意が必要です。『セミナー商法』は基本的には主催社の主催者のためにある営業のためのセミナーです。

【お決まりの保険営業のフレーズ1】

  • 『保険は人生3大買い物の一つです。』

    →世の中の常識の一般論に思わせて、
     販売者側のご都合論です。

たとえ、大きな買い物や大切な買い物でも、購入しない人がいるのは当然のことなのです。また、そんな高額な商品であれば、最低限、きちんと商品説明ができるようになっていて下さい。分からないことがあれば、調べて報告がビジネスの基本です。

商品開発部門や役所の専門の人でもすべてのことを頭に入れて理解が出来たりはしていません。世の中はいつも移ろい、そして、動いています。

『ただ執拗に通い込むだけの訪問営業』に関して、小生は、20年以上前から基本的には評価していません。訪問営業にも、「訪問営業に関しての顧客利益」や「顧客視点での購入動機」が必要なのです。

【お決まりの保険営業のフレーズ2】

  • 『社会人になれば、自立する意味でも
    保険の加入は必要です。』

    →「自立」と『保険』というのは、
     単なる論理のすり替えに過ぎません。

保険に入って、「自立」が出来るようになるほど、人生は甘くはなく、人生は簡単にはなっていません。「自立」をする意味であれば、早く、本業の仕事を覚えて、本業のスキルを上げていくことです。机上で学んだことが通じるほど、甘く出来ている業界はないと思います。

【お決まりの保険営業のフレーズ3】

  • 『あの先輩やあの同期の人も
     同じ保険に入っています。』

    →人によって、考え方や価値観は様々です。
     その人に合った一番は
     あるのが当たり前です。

    →その人の一番を理解して、一緒に考えて、
     何より、一番を見つけていくことが
     営業の大切な姿勢です。

  • 『あの先輩やあの同期の人も
     同じ保険に入っています。』

まさに、騙しの温床となるような状態でありどの業界でもある騙しのトークです。あの会社もやっている。あの大手企業も対応をした。精神性は、『赤信号みんなで渡れば怖くない』、『●●ちゃんが買ってもらった。』と大差ありません。

人によって、置かれている境遇や環境。それぞれで違うのが当たり前です。「うちはうち、よそはよそ」です。偉大な先輩方々が間違えており、その間違えを50年間、間違え続けていたことなどは、労務の世界では珍しいことではありません。

『小手先の営業テクニック』や『営業トーク』を使って、肝心の勉強をしないで、楽して商売を考えている中堅営業マンがよく使う、嫌らしい営業トークです。トークで営業が成り立つと思っている舐めた営業マンです。中身がなく、学ぶことがありません。

新入社員の頃に、保険の勧誘で嫌な目にあったこともあり、保険には入る気が起きなかったのは事実です。しかし、私がこれまで大きな保険を買っていなかったのは、保険営業のやり口の卑怯さにうんざりしたからではありません。一番の理由は、下記にあります。

  • 「私が社会保険に精通していたから」

実は、新入社員の頃から、生命保険を買うにあたりベースになる社会保険について、自分なりに調査をして勉強していたのです。

当時は、社労士ではありません。生命保険を理解するために、そのベースになる社会保険を自分なりに調べていた程度のレベルです。当時、何冊も書籍を購入して勉強した結果。私の気持ちと考えの結論は下記になったのです。

  • 「国民皆保険制度である
     日本の社会保険は最強である!」

保険を買う目的は、下記のはずです。

  • 安心を買うこと

当時、周囲に日本の社会保険制度に精通した人は誰もいませんでした。そもそも、入社した会社でも試用期間が終われば共済会などで福利厚生の一環で民間の保険に加入してくれます。

満期になれば、返戻金があるという理由で、高額な終身の生命保険に加入する必要性を全く感じなかったのです。

日本の社会保険制度は、大変すばらしい制度です。高額療養費制度があるわけですから、保険適用があれば、どんな病気になっても1カ月9万円にならない金額までしか治療費はかかりません。

保険会社が設定しているそんなに長期入院には、そもそも、ほとんど起こるはずがないのです。高額な生命保険を買っていなかった自分。それでも、掛け捨ての保険には、必要に応じて、度々、買ってきました。

  • 「保険の大切さ」や「保険のすばらしさ」

「何よりも保険のありがたさ」を身に沁みております。保険会社を通じて、ご紹介を頂いたクライアントも多いので、生命保険に足を向けて眠ることは出来ません。

【お決まりの保険営業のフレーズ】についての解説は上記を踏まえての感謝ゆえの辛口コメントです。安心がないと元気が出てきません。だから、お金で安心を買うのは当たり前のことです。手術をするときに麻酔が必要なように、保険には下記の機能があるのです。

  • 不安という痛みを緩和する大切な機能

問題は、不安という痛みを緩和する麻酔の程度ということになります。保険というのは、本当に奥が深く難しいです。次回でもライフプランの中での保険について取り上げていきます。

作成日:2021年4月19日 屋根裏の労務士

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