「コロナの対応の原点」
昨今の働き方改革を踏まえて、30日と6日・7日の3日間を計画有給にして11連休の企業も少なくありませんでした。
今回のメルマガは、前回からの連続シリーズで「ライフプラン・・・保険編 その3」を予定していましたが、コロナの相談が増えてきましたので、「コロナ対応の原点」に関して取り上げさせて下さい。
コロナの話題は、飽きてきており、もう、うんざりという方も多いと思います。しかし、新規株の感染力は強く、陽性者が出ており、クラスターを避けるために、企業は色々と対応に追われている激動の渦中にあります。
3回目の緊急事態宣言で、街の様子に緊張感はありません。しかし、陽性者が出てしまえば、企業は個別に難しい判断をしていく必要に迫られます。
3回目の緊急事態宣言。同じことの繰り返しでゴールが見えないとの批判意見も見受けます。官民一丸となりオールジャパンでコロナを封じ込めていく「中期的なゴール」は下記のはずです。
- □
「ワクチン接種を完了させること!」
変異したインド株に関してワクチンが効かないとの諸説もありますが、現時点では、国をあげて一丸となって「ワクチン接種を完了させること」が「中期的なゴール」のはずです。
それまでの間は、「濃厚接触対策」を厳格に実施対応。(PCR)検査をして陽性者が出れば、隔離して凌いでいくしかありません。
- □
「濃厚接触対策」
「(PCR)検査」
「陽性者の隔離」
ワクチン接種が済むまでのステージでは上記の当たり前を当たり前に対応していくしかありません。
これまで何度もお伝えしてきましたが「(PCR)検査」を強制的に受診させることは日本では難しい状況にあります。また、コロナの対応に関して企業側の対応に関して、(PCR)検査の実施に関して、特段触れられていない状況になっています。
安衛法でも、感染症法の観点では(PCR)検査を強制的に受診させることは難しい状況です。日本では個人情報の中でも健康情報に関して、とりわけ注意を要する対応になっているのが実情です。しかし、それでも緊急事態宣言やまん防が発令されている状況下であります。
- □
誰か社員の中で陽性者が出たのであれば、
(PCR)検査を受診して頂くことは
会社対応としてあり得る対応です。
それでも本人が嫌だと拒否すれば、強制的に検査をさせることは出来ませんが、強くお願いをして案内しなければ、対応出来ないことも現実的にはある対応です。陽性者が出ているのに、法的な根拠を理由に何もしていない方が、現実的には問題が多いし、問題が大きくなると思います。
「濃厚接触者の定義」に変更はありません。しかし、新規株が猛威をふるっている状況であれば
本来は「濃厚接触者の定義」における解釈や基準について、従来のウイルス渦のときよりも、厳しい解釈や基準に変わってきているはずです。
「耳たこ」だと思います。現時点で「濃厚接触者」について、国立感染症研究所の「積極的疫学調査実施要領」において次のように定義されています。
- □
患者の感染可能期間内に、
次のような接触があった方のことをいいます。
・患者(確定例)と同居あるいは長時間の接触
(車内、航空機内等を含む)があった者
・適切な感染防護無しに患者(確定例)を診察、
看護若しくは介護していた者
・患者(確定例)の気道分泌液もしくは体液等の汚染物質に
直接触れた可能性が高い者
・手で触れることの出来る距離
(目安として1メートル)で、
必要な感染予防策なしで、
「患者(確定例)」と15分以上の接触があった者
(周辺の環境や接触の状況等個々の状況から
患者の感染性を総合的に判断する)
私は、特に下記の対応を注意して行動しています。
- □
・患者(確定例)と同居あるいは長時間の接触
(車内、航空機内等を含む)があった者
昨年からコロナ渦の中で地方出張をさせて頂いたクライアントは私の感染対応の厳格さをよく分かっていると思います。私は、移動の車内、飛行機、新幹線の中では、「フェイスシールド + マスク」の二重の感染予防です。
新幹線や飛行機は、換気システム対策が盤石だと説明を聞くことがありますが、あまり信じていません。狭い三密空間であることは間違ないからです。
都内のクライアントでビルの窓を開けないように、管理会社から言われているとの相談が2件ありました。規約で窓を開けないように規定されいるケースも多いですが、規定されていないのであれば窓を開けて喚気することを勧めています。
正直、私も換気システムに関してはド素人というわけではありません。住空間やビルの計画換気システムに関しては、自分の商売としても対応をしていました。熱効率の観点で言えば、開閉しない方が良いと思いますが喚気という観点でいえば疑問になることがあります。
三密ではないオフイスであれば、ともかく、都内のビルは、得てして三密です。空気洗浄・換気システムは日進月歩の業界です。換気対応はコロナの基本対応です。
コロナは空気感染ではなく飛沫感染で人が運んでくるのです。換気をした方が良いに決まっています。当たり前ですが、花粉とコロナでは対応が異なります。
そもそも、現行のビル管理システムはコロナを想定していないはずです。個人的には、新幹線の連結部分の場所がコロナ感染のリスクが高いとみています。コロナ渦だというのに、連結部部分の場所でマスクを外して大声で電話をして、飛沫を飛ばしている人がいるからです。
新幹線から乗るとき・降りるときは無駄のない動きで乗り降りをしております。個人的には、飛行機や新幹線の中では会話を禁止にして頂きたいぐらいです。
政府には、ワクチンの接種に関して特別有給を付与するように、経団連に要請して頂きたいです。今後、基本的にはすべての国民がワクチンを2回接種することが決まっています。
仕事やプライベートよりもワクチン接種を優先するように働きかけることは基より、企業にはワクチン接種に関して出来れば特別有給を与えるように、お上から、強く言って頂きたいです。
また、陽性者の隔離対応に関して相談が増えております。休業手当と有給休暇での対応が基本的な対応です。休業手当を支給したうえで雇用調整助成金の申請というのは、「耳たこ」になっていると思います。
発熱をしていない陽性者に関して、自宅待機をして頂くにあたり、傷病手当金という選択肢もあり得ます。下記はその取扱いのQ&Aです。
【厚生労働省保険局保険課のQ&A】
- □
Q2
被保険者には自覚症状はないものの、
検査の結果、「新型コロナウイルス陽性」と判定され、
療養のため労務に服することができない場合、
傷病手当金は支給されるのか。
A
→傷病手当金の支給対象となりうる。
傷病手当金の待機完成(最初の3日間)は、特別休暇や(休業手当100%)を付与してあげて欲しいです。待機の3日間のうち、土日祝日が入れば、特別休暇や(休業手当100%)を付与しなくても、連続して3日間の休みとなれば、待機は完成します。
傷病手当金の対応を踏まえて、特別休暇(休業手当100%)は1日から3日間の支給という取扱いです。陽性者には傷病手当金は有効な会社対応方針になると思います。
コロナ渦で、漠然とした不安があるため「有給休暇は、万が一のときの保険」として残しておきたいという気持ちもあると察します。
- □
「不安を解消するための保険は必要」です。
「コロナ対応の原点」は下記にあります。
- □
「適正な事実確認」
- □
「早めの報告」
- □
「早めの隔離」
社員に陽性反応が出た場合でも、「安心をして会社に報告」をして、「安心をして休みを取れる取り扱いにしておくこと」がコロナ感染を防ぐ会社対応の原点となるはずです。
作成日:2021年5月10日 屋根裏の労務士