「ライフプラン・・・保険編 その3」
既に適用中の地域は31日が期限ですが、群馬など3県は6月13日までが期限となります。オリンピックの問題を抱えながら日本全国でコロナの新規株が拡がっており、ワクチン接種が進んでおりません。
アメリカも自国のコロナ対策とワクチン接種で、正直、精一杯なのだと思います。同盟国の日本のワクチンやオリンピックに積極的に関わろうとしてくれていません。
一方、アメリカ経済は、経済の持ち直しで想定外のインフレになってきました。行き過ぎたインフレを抑制するためにFRBが金利を上げるのではないかとの投資家の予測を踏まえて、株が売りに出されて高止まりしていた株価が下がっている状態です。
アメリカ株の下落に連動して日本の株式市場も下落しました。株式市場は全く予想が出来ない不安定な状況の渦中にあります。コロナ渦の状況でリーマンショックのような金融危機が重なった想定などは、怖くてできません。
経済が不透明な状況の中で「漠然とした将来不安」は高まるばかりです。人生100年時代を踏まえて、「ライフプラン」について取り上げました。コロナの問い合わせが増えてきたので前回はコロナ対応を取り上げましたが、今週は「ライフプラン・・・保険編 その3」を取り上げます。
私は、これまで、終身の大きな民間保険を買っていませんでした。基本的には掛け捨ての保険しか加入していません。終身の保険を買っていなかったのはいくつか理由がありますが、主な理由は下記の3つです。
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1 国民皆保険である公的医療保険が盤石であること
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2 民間保険はインフレに弱い金融商品であること
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3 「ある民間保険」の存在を知り
詳しく内容を確認して、理解していたこと。
ちなみに、その「ある民間保険」には今でも加入していません。生命保険の購入を検討する際に、いつも基準にしています。(掛け捨ての保険には加入しています。)今回のメルマガでは、小生が加入基準にしている「ある民間保険」について、取り上げます。その「ある民間保険」とは、ずばり、下記の生命保険です。
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「県民共済」
私は、都民なので「都民共済」になります。正確には、『保険』ではなく、「共済」です。生命保険会社というのは、建前上は営利を追求する株式会社ではなく、『相互会社』になっています。
しかし、生命保険会社の実態は営利を追求する金融会社であり、『相互扶助にはなっていない』ことなどは説明するまでもないしょう。一方、「県民共済」は、相互扶助の考え方で運用されています。完全な営利追及だけではありません。
生命保険会社のように、高額な広告費とマンパワーの人件費をかけていません。(テレビCMはしていますね。)何より、生み出した剰余金は「割戻金」としてご加入者に返ってくる仕組みです。全国平均の「割戻率」は下記です。
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32.72%
つまり、実際の掛け金は加入金額の7割程度しかかからないのです。一番人気のある「総合保障2型」は月々の掛金2000円(年間24,000円)です。そのうち、毎年7,852円が「割戻金」として、加入者に返ってくる仕組みです。
実際の月々の掛金は1,345円程度になるのです。ちなみに、当然、掛捨ての保険です。保険は、基本的には掛捨てに決まっています。日本人は掛捨てが損なように思う人がいるので、生命保険は複雑で分からない商品になっている一面があるのです。
私は 「県民共済」の保障内容を理解していたので、生命保険に入っておらず、これまで終身の大きな保険に加入していませんでした。終身の保険に加入していないのは、「県民共済」の下記の特徴があることが大きいです。
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満64歳まで加入することが出来て
満64歳までなら、何歳で加入しても
掛金と保障内容に変更がない仕組み。
保険会社に、誕生日を教えると誕生日の数カ月前から保険の営業を受けることになります。保険に加入している人でも保険の買い替えを提案されてくることが多いです。
誕生日の月で保険料が上がると期日を切られて営業を掛けられますが、「県民共済」の存在を知っていればそんなに急かされなくても、満64歳までなら、いつ加入しても同じです。
それに、1年でも先送りした方が何にも事故が起きないのであれば、保険料はトータルでは安くなるに決まっています。もちろん、その間の安心は買えませんが・・・。
若いうちには、大病をする可能性は極めて低いに決まっています。ましてや、低金利の時代に、積立機能まで完備した終身保険に加入するメリットが見えません。
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貯金は三角、保険は四角とのセールストーク
保険は、あくまでも保険ですから、貯金と保険を一緒にする方がそもそもおかしいというのが、私の考え方です。保険は掛捨てが一番であり、年齢や状況に応じて、見直す方が良いに決まっています。
私は、企業労務の専門であり、ましてや、民間保険に関しては私の本業ではないので、あまり保険の加入相談について積極的にはしていません。生命保険も、金融商品としての一面があります。基本的には、「個人の実情と考え方」を踏まえて、自己責任での判断です。
「個人の実情と考え方」というのは、複雑になっており、本人も現状把握が出来ておらず気が付いていないことが多いものです。保険加入の相談を受けたときに「県民共済」の存在を教えてあげます。
相談者も資料を取り寄せたり勉強して調査をしていく中で、下記のご相談やご質問を受けることがあります。
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「県民共済は、お手頃な金額であり、
コストパフォーマンスが良いことは分かりました。」
「しかし、県民共済は保障の内容が薄いと思います。」
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「県民共済は、満64歳までの加入であり、
その後80歳まで加入できますが、
終身のタイプがありません。」
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「65歳からの保障は更に悪くなります。」
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「現実的に、80歳以降に
死んだり、重篤な病気になることが
多いと感じています。」
上記の4つのご質問は、私も同感であり、同じ意見です。つまり、上記4つが「県民共済」のデメリットなのです。私も、4つのデメリットがあるため「県民共済」には加入していないのです。
それでも、「県民共済」はお勧めです。そもそも、他の民間保険では、複雑になっているため、デメリットに気が付くことも出来ません。
保険の営業の方に質問してもその説明は意味不明なことがほとんどです。相談をすれば、クロージングを受ける執拗な営業の場となり、相談することも難しい状況です。
私は、保険加入に関して下記のようにすることをお勧めしています。
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「県民共済の掛金と保障内容」を
「基準として頭に入れて
民間保険の加入の判断のベースにすること
本人の実情や考え方に応じて、基準としての県民共済にそのまま加入することもあれば、別の民間保険を買うこともあるはずです。ちなみに、生命保険や損害保険は管轄が金融庁ですが、県民共済は厚生労働省が管轄です。
実は、今日も、日曜日の休みの午後にクレジット会社から、保険の営業がありました。既に、掛け捨ての保険に入っている旨を告げましたが下記のような説明でした。
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「今回の保険のご提案は、
既に保険に入っているような方へのご提案です。」
「2,000円から誰でも保険に加入できる
コロナにかかったときにも対応できる保険です。」
色々な切り口で保険の営業を仕掛けてきますが基本的には、「県民共済の加入基準」の対応内です。「2,000円」の保険料は、県民共済「総合保障2型」と同じです。県民共済には「割戻金」があるので、実際の月々の掛金は1,345円程度です。
そのパフォーマンスを比べれば加入を検討する保険であるか否かは簡単に判断できるのです。上記の「県民共済の加入基準」の設定や判断。論理的に説明しておりますが、実際に小生が掛捨ての民間保険を買ったのは保険の営業マンの熱心な営業を踏まえて、その熱心さを評価して、保険を買ったのです。
詳細に保険の内容を確認して保険の商品を理解して、購入したのではないのです。
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人情を踏まえて購入したのです。
右も左も分からない駆け出しの頃に付き合ってくれた感謝の気持ち。そんな気持ちを踏まえて、購入したのです。
仕事での義理で購入したのではなく、駆け出しの頃しか付き合っておらず基本的には仕事を一緒にしたことはありません。人生の一回りぐらい年上の先輩でもあります。何より、もの凄いガッツのある営業マンであり、たまに思い出している営業マンです。
コロナ渦でも保険の営業をかけてきました。10年ぐらいお逢いはしておりませんでしたが、あのガッツは営業の次元を超えており、何だか面白くなってしまう人です。
人生に不安は無くならないものです。手術に麻酔が必要なように、人生の不安には、麻酔のような保険はある程度は必要です。保険というのは、本当に奥が深く難しいです。
作成日:2021年5月17日 屋根裏の労務士