「初めての腕時計の購入・・・その3」
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人生で初めての腕時計の購入
私の場合、初めての購入どころか、人生で初めて、自分の腕時計を自分で選ぶという体験です。色々な偶然が重なって周囲から腕時計を貰っていたため50歳を過ぎても、自分の腕時計を購入したことはもとより選んだことすらなかったのです。
今回、修理に出した2週間。だいぶ、腕時計の勉強をしました。
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自分の腕時計を自分で選ぶということ
ワクワクして楽しいこともわかりました。何より、大変難しいということもわかりました。
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「自分が求める腕時計とは何か?」
私は、お買い物はあまり好きではありません。かなりの時間とエネルギーを使うためです。それと、前職では、ある意味、下記が仕事でした。
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お客様に楽しくお買い物をして頂くこと
「本質となること」や「核となること」を徹底的に検証して見定めたうえで、自分の頭で判断して商品を購入します。他人の評価だけでは、商品は購入しません。自分の価値観の軸にあり、自分の評価が高いものであれば、高額な商品や財でも購入します。
経済学の視点で捉えたとき。腕時計というのは、下記の要素があるはずです。
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『地位財』
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周囲と比較することで満足を得られる財です。
経済学者で米コーネル大学教授のロバート・フランクが定義した財の捉え方です。フランクは財の中には、下記の特徴があると仮説を立てたのです。
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『地位財』と「非地位財」
『地位財』とは、『他人との比較によって満足が得られる財』。一方、「非地位財」とは、「他人との比較とは関係なく満足が得られる財」。『地位財』とは、お金、自動車、不動産、社会的地位など。 「非地位財」は、健康、自主性、社会への帰属意識、良質な環境、自由、愛情などが挙げられます。
私が、『地位財』と「非地位財」という概念を知ったのは下記のときです。
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2012年に国連が発表した「世界幸福度ランキング」でのブータンの事例
民主党政権が末期の頃です。国民の幸せについてGDPによる経済指標だけではなく、幸福度での指標も取り入れるべきとの考え方が政治家や有識者から出てきたのです。その2年ぐらい前にGDPで日本が中国に抜かれ、日本の国力が落ちてきたことが背景にあったはずです。
個人的には、幸福度は大切な価値観の一つですが、ブータンの事例は日本には参考にもならないと思っています。
ブータンは小さな国です。日本は巨大な国です。GDP、国土、人口、何よりも世界的な責任。前提となる条件がすべて違うのです。そもそも臨界点が異なり、世界が違いすぎます。それに、最近ではブータンも幸福度の上位ランキングから外れているようです。
幸福度の指標が出てきた背景には相対的貧困の可視化によって、日本の格差社会が問題になってきたこともあったと思います。幸福度の考え方を説明するなかで、『地位財』と「非地位財」の概念が取り上げられることが増えてきたのです。
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『地位財』の価値観に振り回されるのではなく、
「非地位財」の価値観を大切にしていくべきとの考え方です。
私は、『地位財』を持つことをゲスな人間だとは思っていません。基本的には趣味と価値観の問題です。それに私も何らかの『地位財』は持っています。
無人島に住んでいるわけではないのですから。他人の評価を全く気にしないというのは、自分に圧倒的な「人間的な魅力」と「周囲から人望」があり、よほど、自分に自信がない限り、難しいと思います。
それに良いものは、やはり良いです。私の気持ちの中でも、高級腕時計を持ちたいという欲求はあります。今回、腕時計の購入に対して、下記の2つの選択まで絞られてきました。
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「多少値の張る高級ブランド時計」
「Apple Watch」
それぞれの腕時計を購入した場合の各種シュミレーションをしていました。(趣味レーションです。)
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「多少値の張る高級ブランド時計」を購入した場合
(ちなみに、フランクミュラーは無いです。)
最初は嬉しいとは思います。しかし、私は1か月もすれば、そんな気持ちは無くなると思います。
前職で財閥の社章も、もらったときは嬉しかったですが、1か月後には着けていないで、度々、注意を受けておりました。ちなみに、私の部長も着けていませんでした。最後の退職のときは紛失しており、最後に始末書を書かされました。(ちなみに、無くしたのは私ではありません。)
社労士の登録をして、バッチを購入した直後は嬉しく着けていましたが、1か月間もしたら全く着けなくなってしまいました。若い時は、セミナーや説明会のときだけは着けていたこともありましたが、現在はあまり着けていません。
高級腕時計を持つことはステータスを得られると思います。それならば、個人的には、そこの会社の株式を持って、株主になっていた方がステータスを感じるような気がしてきます。また、株式を持つならば、別の株式に投資したい気持ちも湧いてきて、結局、そこまで、高級腕時計を自分は欲しくないような気がしてきます。
私は、打ち合わせが長い傾向にあります。そのため、時間を確認するために、腕時計を外して机に置くことが多いです。打ち合わせ中に、腕時計をチラチラ見ている方が失礼にあたるような気がしているのです。
タグホイヤーの腕時計を外して、机の上に置いたとき、腕時計の話題になることもあります。仮に、高級腕時計を外して机に置いたら、印象が悪いような気がしています。『この高級腕時計を見てくれ!』と言わんばかりに思われて、何か恥ずかしくなってしまいます。
それに、高級腕時計を着けたり、外したりしていたら、紛失させるリスクも高いです。そんなことを考え出すと今の電波ソーラー腕時計が私にはベストなような気がしてくるのです。
人生で一度くらい、「値の張る腕時計」を購入して、おしゃれに身に着けたい気持ちもありますが、まだ、いいような気がしております。色々な意味を含めて、まだ、自分は大丈夫だと思っております。
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「Apple Watch」を購入した場合
iOSのサポートは5年間ぐらいだと思います。5年ペースでの買い替えです。高級腕時計も5年に一度は、オーバーホールをする必要があり、金額的にはほとんど大差ないと思います。
Apple Watchを持った場合、充電が手間なような気がしています。現在、iPhoneとiPadを毎日充電しています。それにApple Watchが追加されることになります。充電を忘れた場合、腕時計がないストレスもあります。
私は、意外と泊りの出張があり、何より旅が趣味でもあります。改修していない安いホテルに宿泊した場合、コンセントが足りないことが、度々、ありました。
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何で、冷蔵庫を動かしたりして
充電することになるのだろうと
ストレスを感じたことが度々。
最近のビジネスホテルでは、確実に2つコンセントはありますが、3つになると、コンセントが無いホテルもあるような気がしています。
そんな心配をあれこれしていたら、修理に出していた2週間を迎えました。時計店に行く途中に、既に、買い替えを覚悟しておりましたが、時計が止まったのは寿命ではなく、巣篭っていたために太陽光に充てていないことが原因でした。
「初めての腕時計の購入」で、ワクワクしたり、要らぬ心配をあれこれしておりましたが、止まった腕時計が元気になって、私の手元に戻ってきたのです。
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結局、まだ、人生で腕時計を
一度も購入していないという
今回の落ちとなりました。
しかし、Apple Watchは、かなり気になった存在になっています。機を見て、購入する予定です。今回のメルマガのシリーズを通じて、Apple Watchの購入者から、大変貴重な一次情報を頂くことが出来ました。最近、「購入したもの」の中で、Apple Watchはお勧めの一品とのご感想を、頂いております。
Apple Watchは、使ってくるとジワジワと良さがわかってくるそうです。慣れてくるとApple Watchがない状態には戻れなくなるというご感想も多いです。Apple Watchは、長期にわたって使ってみないと良さがわからないという神秘的な一面もあるようです。
腕時計というのは、ワクワクして、コミュニケーションツールになるということ。今回のメルマガのシリーズでよく分かりました。
作成日:2022年2月21日 屋根裏の労務士