「攻撃的な防御!」
日本は惜しくも、敗退となりましたが、クロアチアのGK・リバコビッチには、正直、下記の一言です。
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「凄すぎ!」
神懸かり的なスーパーセーブの連続。日本戦の120分間で11本のセーブ。全身全霊でゴールを死守。敵ながら、「あっぱれ」です。リバコビッチには「凄い」としか言いようがありません。
ブラジル戦でも、ブラジルの猛撃を止めました。王者の勢いを止め、王者を焦らせ、王者をいらつかせ、王者のメンタルをへし折るような神セーブ。日本戦に続き、ブラジル戦でも、PK線での連続セーブ。
サッカーは点が入りにくいスポーツです。全身全霊でゴールを死守して、ゴールをこじ開ける戦い。小生は、サッカーを観ているとき。GKの立場で観ていることが多いです。下記のことを考えてイメージしながら観ているのです。
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「攻撃的な防御!」
日本の防衛戦略大綱の『専守防衛』にとどまらず、相手に対して、「攻撃的なストレスを与える防御」です。相手の攻撃に対して、『反応をしているだけの防御』では時間稼ぎをしているだけで、自軍の勝利を呼び込むような展開にはなりません。
『相手に反応をしているだけの防御』。相手のペースで舐められているだけですので、相手は疲れません。そのうち、自軍の気力と体力が消耗して、結果、目も当てられない大惨敗になってしまいます。
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結果として同じ防御でも、似て非なる防御の内容なのです。
弱い相手だったり、相手が本気を出していないで、こちらを泳がせているだけのことも多いです。『反応だけの防御』であれば、いつかは、事故が起きてしまい、痛い目に合うものです。
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何事でも『専守防衛』にとどまらず、
「攻撃的なストレスを与える防御」が大切です。
他のスポーツは点数を取らなければ、勝つことはできないのですが、サッカーというスポーツはPK戦まで持ち込めば、「守り勝つ」ことが出来ます。PKは「点を取った」とは言わないと思います。PKは「止めた」という印象です。
トーナメントに入り、クロアチアは、しぶとく、したかかに、「攻撃的なストレスを与える防御」をして守り勝ったという印象です。
『撃ち込まない』、『撃ち込めない』のであれば、敵は痛くも痒くもありません。やはり、いつでも、反撃ができる抑止力が大切です。「持っている」のと『実際に使う』のは天と地ほど違います。同様に、「撃ち込む意思がある」のと『撃ち込む意思がない』のでは、抑止力の効果が全く違います。
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戦争を放棄している状況に平和は無いのです。
9条が平和を守ってきたのではありません。悔しいですが、平和を守ってきたのは、米軍と自衛隊による軍隊による抑止力です。
相手の勢いを止め、相手のメンタルをすり減らし、相手のメンタルをへし折るような防御。日本はドイツとスペインを相手に感動的な勝利。1次リーグを1位で通過。さらに、前回大会で準優勝のクロアチアをPK戦まで追い詰めました。
世界との差を縮めて、自信を深める大会であったことは事実。一方で、世界の高く険しき壁も感じていました。
日本の勝利の方程式。強豪のドイツ、スペインを下した奇襲ともいえる日本の速攻。その展開にさせないクロアチアの「攻撃的な防御」です。ワールドクラスのプロ集団には、手の内はすぐに研究されて、対策を講じられてしまうものです。簡単に日本ペースの展開にはさせてくれない世界の壁です。
正直、ドイツとスペインは、日本を甘く見ていて、日本の攻撃に対して危機感をもって研究していなかったと思います。サッカーを知り尽くし、日本代表を知り尽くした森保監督の見事な作戦勝ちの2連勝です。
一方、クロアチア戦のネイマールのゴール。クロアチアの守備に落ち度はありません。徹底したネイマールへのマーク。ゴールの道は開いていませんでした。その状況で、ゴールへの道をこじ開けてのネイマールのゴール。
徹底的にマークをされて。徹底的に研究をされて。徹底的に対策を講じられたうえで。その包囲網を掻い潜り、新たな進化を続けていくネイマールの実力。ブラジルは、防御ミスで負けましたが、王者の底力と貫禄を見せたゴールでした。結果として、ブラジルはクロアチアに守り負けたと感じました。
「勝つ」ことが自信になります。「勝つ」ことで、何か分かった気になってしまうこともあります。結果がすべてというのは現実です。
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クロアチアに延長のうえ、PK戦での敗北
ある意味、結果は日本とブラジルと同じです。日本もブラジルの首を狙える可能性はありますが、まだまだ、世界は「険しく高い山々」だと感じていました。
日本が敗退してしまったのでクロアチアを応援しています。
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「攻撃的な防御!」
どんな分野でも、真剣勝負の鉄火場からは学びや気づきは多いです。
作成日:2022年12月12日 屋根裏の労務士